【札幌カフェ】喫茶つばらつばらクラシック…優しくて、温かくて、幸せな場所
カフェ・喫茶店の「役割」って、何だろう?
やむにやまれず家にこもりがちな今、改めてじっと考えてみる。
美味しいコーヒーやお菓子を楽しめること。
友人とおしゃべりが出来ること。
本を読む、書き物をする……生産的な活動が出来ること。
ゆるやかな時間をぼーっと過ごして、普段はおざなりにしてしまいがちな”自分”を休ませてあげられること。
馴染みの店主に会いに行けること。
過ごし方は人それぞれ。そのときにやりたいことをやればいい。
カフェ・喫茶店は、そのための“場所”になってくれる。もしかしたら、これが「役割」なのかもしれない。
僕は、自分にとっての“場所”を見つけるたびに、大きな喜びを感じる。
自分の「やりたい」を叶えられる場所との出会い。
だから、カフェ巡りはやめられない。
2020年、春。伏見の山に芽生えた”優しい場所”
北海道の春は遅い。
日本中の桜がとうに散り終え、緑の季節に移り変わろうとする頃、ようやくふきのとうが「そろそろですか」と顔を出す。
しかし、待ちに待った春だからこそ、北海道民はその到来を他の誰よりも喜ぶのだろう。
まだ冷たさが残る風に暖かい日差しがブレンドされた、なんとも言えない感覚が肌を撫でるあの瞬間は、長く厳しい冬を無事に乗り切ったご褒美にさえ感じられる。
春は、喜びの季節だ。
藻岩山の山麓・伏見。
もう少し詳しく言うと、藻岩山ロープウェイ乗り場から円山動物園方面へ、藻岩山麓通を車で走ること2分ちょっと。
ここに、また一つ僕らにとっての大事な”場所”が誕生した。
「喫茶つばらつばらクラシック」
西11丁目エリアの、札幌で一番歴史ある鉄筋コンクリート製ビル・三誠ビルで長く愛される「喫茶つばらつばら」の、新たな物語。
(※西11丁目の喫茶つばらつばらも、これまで通り営業中)
お店は駐車場を5台完備しているので、車で行くのが一番便利。
バスで行くなら、最寄りはJR北海道バスの「慈恵会前」停留所。ただ、「啓明バスターミナル」も徒歩5分圏内で、こちらはJR札幌駅から一本で移動ができる。
札幌駅から啓明バスターミナルの路線(53番)は、西11丁目のお店のすぐ近くも通るというから面白い。離れていても、大事な部分はしっかりつながっているんだなぁ。
青空の中でもよく目立つ赤い屋根が目印。
坂はちょっと急だけど、あと71歩。頑張って歩こう。
クラシカルな一枚板の看板と、開店祝いのお花と、アルコールスプレー。
「そんなこともあったね」と、今この時期に歩みだしたお店を語る思い出話のひとつになれば、それでいいんじゃないかな。
後で笑って話すためには、みんなできちんと手洗い、うがい。
あとは、美味しいものをたくさん食べること、ね。
ハヤシライスは「幸せの味」がした
(店主の言葉をそのまま拝借すると)「下のつばら」とは、メニュー構成が少し変わっている。
コーヒーは変わらず佐藤珈琲の豆を使っていて、定番のケーキやプリン・ナポリタンもそのまま。
ここに、クラシックのメインになる「ハヤシライス」や「パフェ」が加わって、まぁわかりやすく言うと「めちゃくちゃパワーアップした」という感じ。
“山の上のつばら”の看板メニューは、ハヤシライス。
まず、見た目が幸せ。まばゆく輝くハヤシライスソース、グリーンピース。それに、このうつわ。見ただけで、こんなにもワクワク出来るなんて。
みなさんお気付きの通り、付け合せのサラダにポテトサラダが添えてあるのも非常にハッピーだ。うーん、ありがたい。
これこれ。この瞬間がたまらない。
ハヤシライスの仕上げは、我が手に委ねられた。
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一口ほおばると、ソースの深みとコク、旨味、肉のジューシーさ、玉ねぎの爽やかさが上品に畳み掛ける。
丁寧に、手をかけて作ってくれていることが、スプーンを1往復させるだけでよくわかる。
この味を「幸せ」と名付けよう。
美味しさを伝えるためのこれ以上しっくり来る言葉を、僕は持ち合わせていない。
定番のチーズケーキも、スチーマーでもこもこミルクに仕上げたカフェラテも、しっかり美味しい。
これもやっぱり、「幸せ」だなぁ。
優しくて温かい、一人ひとりを受け入れてくれる場所
喫茶つばらつばらクラシックの建物は、もともと「宮越屋珈琲 パリアッチ店」が入っていたところ。
元から持っている雰囲気を大事にしつつ、随所につばらつばら”らしさ”が散りばめられている。
つばらつばらと言えば…な、文庫本
クラシックを奏でるスピーカー
よく晴れた日の夕方は、店の大きな窓から差し込む西日が作る美しさに見惚れたい。
夕陽が椅子を、壁を、花飾りを、オレンジに染め上げる。
その横には影ができて、コントラストがくっきりと浮かぶほど、美しい。
夕陽に照らされる店内
4人がけのシート。電球と夕陽の素敵な組み合わせ
スワッグも、スポットライトを当てられて主役に躍り出る
カウンターが7席と、4人がけのテーブルが4組。
贅沢すぎるくらい開放感のある広い空間で、みんなが思い思いの時間を過ごすことが出来ると思う。
◇
自分のやりたいことがあることは、幸せだ。
そして、その「やりたいこと」を形にできる”場所”を、自分の住む街に持っていることは、もっと幸せなことだと思う。
この春、僕にとっての大事な”場所”が、また一つ増えた。
カフェ巡りは、まだまだやめられそうにない。
【Shop info】
◇住所:札幌市中央区伏見2丁目2-90
◇最寄り駅:札幌市電 ロープウェイ入口駅(バス:JR北海道バス 慈恵会前)
◇駐車場:あり(5台)
◇営業時間:[月/火/木]10:00-21:00 [金]10:00-21:00 [土]9:00-21:00 [日]9:00-20:00
※当面の間、18時閉店の短縮営業
◇定休日:水曜
◇Instagram:@tubara2