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ひらがなのもりひこ 森彦 モリヒコ 札幌カフェ ルトロワ オープン

【札幌カフェ】ひらがなのもりひこ…「原点」を重んじ、尊び、たどり着いた森彦の「答え」

今の若い子がどうかはわからないが、ギリギリ平成生まれの僕ら世代にとって人生の初期に触れる「スイーツ」といえば、ほぼ間違いなく「ホットケーキ」であった。

休みの日の朝ごはんやおやつの時間に母親が焼いてくれるそれは、飛び上がるほどの喜びとはまた違った性質の、心の底からじんわりとワクワクさせてくれる感覚があった。

両手にナイフとフォークを持ち、慣れない手付きで切り出しながら食べる瞬間はもちろん、1枚1枚が焼き上がっていく様子さえ、その体験に強く焼き付いている。

 

身近でありながら、今でもどこか特別な感じ。

ホットケーキは生きる上で大事な、色々な感情を教えてくれた「原点」とも言える存在なのかもしれない。

 

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札幌の中心・大通で、森彦がホットケーキを今このタイミングで仕掛ける”意味”

 

未知なる存在の予期せぬ襲来で、良くも悪くも世の中のルールがガラリと変わってしまった2020年。

後世に渡って語り継がれようというこの象徴的な年に、森彦は「原点」を模索しようとした。

 

【旭川カフェ】集え、旅人。MORIHICO. RENGA1909 19年12月15日開店!モリヒコ旭川2号店

 

 

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【カフェ 森彦の時間】 こんにちは!連投失礼致します。 ・ 写真は、HAGISOギャラリー。 いつもは真っ白な空間が、 森彦の時間のための特別仕様となっております。 ・ 特製のカウンターは、珈琲で塗られていて良い香りがします。 (色の濃淡は珈琲の煎りの深さで表されています。) しかもこの木材が交差したデザインは、 森彦本店で一番人気の席で使われているテーブルを イメージしているんです! ・ 他にも、研究に研究を重ねた珈琲染めが施された 布やエプロンがあちこちにひらり。 森彦本店から持ってきて頂いた小物や、 忠実に再現された鳥の巣箱。 繊細なやさしいタッチがまあるい気持ちになれるイラスト。 とにかく、色んな人たちのぎ想いがぎゅーっと込められた、 とってもステキな空間なんです。 今日で終わりだなんてもったいない…。 ・ カフェ側にも様々な作品が散りばめられていますよ。 お待ちになられている間、 じっくりご覧になってください。

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いや、もしかするとその流れは昨年から始まっていたのかもしれない。

1909年に建てられた倉庫を改装したお店を旭川にオープンしたり、森彦の”同級生”である東京・日暮里の「HAGISO」とコラボイベントを開催したり、来たるべきその時に向けて足場はしっかりと固められていた。

 

 

ひらがなのもりひこ 森彦 モリヒコ 札幌カフェ ルトロワ オープン

 

 

札幌の中心地、大通。

その中でも象徴的なランドマークといえばさっぽろテレビ塔だが、そのすぐ横にある商業施設「ル・トロワ」の地下2階、「キレイのランドマーク」を掲げるその建物の中に新たに誕生したのが「ひらがなのもりひこ」である。

 

 

ひらがなのもりひこ 森彦 モリヒコ 札幌カフェ ルトロワ オープン

 

 

お店全体をぐるっと囲む白い壁と、そこに満月のようにぼうっと浮かぶまん丸の照明。そして、頭文字の「も」。

以前、この場所に入っていたJB ESPRESSO MORIHICO.はさながら「街のコーヒースタンド」といった佇まいだったが、そのイメージを覆す外見に、期待が高まる。

 

 

ひらがなのもりひこ 森彦 モリヒコ 札幌カフェ ルトロワ オープン

 

ひらがなのもりひこ 森彦 モリヒコ 札幌カフェ ルトロワ オープン

 

 

茶色と緑の暖簾をくぐって店内に入ると、白とぬくもりを感じる木目を基調とした空間に、得も言われぬ馴染みや落ち着きを感じる。

MORIHICO.代表の市川さんがSNSに書かれていた、1行の言葉が脳裏に蘇った。

 

「そう、僕たちは日本人だったんだね。」

 

北海道という土地は、約150年前に開拓者たちによって切り拓かれた土地。

しかし、そのさらに前から流れる日本人としての感性は、今も脈々と受け継がれている。

 

 

ひらがなのもりひこ 森彦 モリヒコ 札幌カフェ ルトロワ オープン

 

 

オーソドックスだけど新しい、もりひこの和風ホットケーキ

 

店内で食べることが出来るのは、「うすもち」と名付けられた薄焼きのホットケーキ。

 

 

ひらがなのもりひこ 森彦 モリヒコ 札幌カフェ ルトロワ オープン

 

ひらがなのもりひこ 森彦 モリヒコ 札幌カフェ ルトロワ オープン

 

 

合わせるトッピングは、「発酵バター」や「謹製ホイップ」などの王道から、「北海道ゆであずき」などの和風の甘味、また「白あんラムレーズン」「みたらし」などのちょっと変わり種もラインナップされていて、選ぶ時間も楽しい体験の一つになる。

 

 

ひらがなのもりひこ 森彦 モリヒコ 札幌カフェ ルトロワ オープン

 

 

一緒に楽しみたいコーヒーには、これまで円山の本店限定だったブレンド「森の雫」が登場。

四半世紀以上、札幌の喫茶・カフェの世界で独自の進化を遂げてきた森彦の「原点」とも言える味が、この場所でも味わうことが出来る。

 

 

ひらがなのもりひこ 森彦 モリヒコ 札幌カフェ ルトロワ オープン

 

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登場したホットケーキには、可愛らしい「も」の焼印。

 

 

ひらがなのもりひこ 森彦 モリヒコ 札幌カフェ ルトロワ オープン

 

 

10種類の中から選んだ5種類のトッピングも、何かの儀式で使われそうな器に盛り付けられていて、統一されたメッセージを感じる。

ちなみに、一番奥にある”6つ目”のうつわに載っているのは、口直しの漬物。細かな心遣いが嬉しい。

 

 

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サイフォン式で抽出されるコーヒーを佳きタイミングでカップに移し、楽しみな時間を始める。

 

 

ひらがなのもりひこ 森彦 モリヒコ 札幌カフェ ルトロワ オープン

 

 

トッピングを贅沢に飾り付けたホットケーキにナイフを入れ、フォークで口に運び、ひとくち食べた瞬間に感じた食感は、これまでに感じたことのないものであった。

「シュワッ」と口の中で優しく溶けていく、初めての口触り。

口溶けの良いパンケーキといえば、リコッタチーズなどを使った「トロッ」とした食感のものがあるが、それとは一線を画している。

あくまでベーシックな材料で作られた「ホットケーキ」ではあるものの、経験したことのない感覚。

 

 

ひらがなのもりひこ 森彦 モリヒコ 札幌カフェ ルトロワ オープン

 

 

「原点」を大切にしつつ、今の時代に即した新しさも織り交ぜる。

今、このタイミングでホットケーキを打ち出した、その理由が何となくわかった気がした。

 

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世の中は、常に移ろう。

これまでの常識が、明日は非常識になっている。そんな時代。

しかし、そんな状況下においても”変わらないもの”というのは、確かにある。

 

コーヒーを楽しむ時間や、甘いものに頬をゆるめる瞬間もそうだ。

昔から幾度となく繰り返され、人々を癒やしてきたこの時間は全く変わらないし、これからも変わらないで欲しい。

いや、きっと変わらないはずだ。

 

 

ひらがなのもりひこ 森彦 モリヒコ 札幌カフェ ルトロワ オープン

 

 

そんなメッセージを、1枚1枚丁寧に焼き上げられるホットケーキを見ながら感じた。

……こんなことを思うなんて、ちょっとはおとなになったってことかな。

 

 

【Shop info】

◇住所:札幌市中央区大通西1丁目13 ル・トロワB2F

◇最寄り駅:札幌市営地下鉄各線 大通駅

◇駐車場:なし

◇営業時間:イートイン 11:00 – 21:00 / テイクアウト 10:00 – 20:00

◇HP:ひらがなのもりひこ – MORIHICO.

◇Instagram:@hiragananomorihico

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