この札幌という街には、「末永く、幸せに店を続けて欲しい」と心から願いたくなるカフェが、多すぎるくらいに多い。
そんな街に住んでいることを僕は嬉しく、誇りに思う。
ただ、困ったことに、自分にとってのそういう店が増えれば増えるほど、一箇所にかけられるお金も、時間も減ってくる。
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この札幌という街には、「末永く、幸せに店を続けて欲しい」と心から願いたくなるカフェが、多すぎるくらいに多い。
そんな街に住んでいることを僕は嬉しく、誇りに思う。
ただ、困ったことに、自分にとってのそういう店が増えれば増えるほど、一箇所にかけられるお金も、時間も減ってくる。
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とあるカフェのマスターが、こんなことを言っていた。
「カフェって、”200人のリピーターがつくと安泰”と言われているんですよ」
【200】という、小さいようで、とてつもなく大きな数字。
「まだまだ遠い道のりです」と彼女は静かに笑ったが、その姿を見た帰り道、自分にこう問わずにはいられなかった。
「自分が”1/200″になれていると自信を持って言えるカフェは、果たしてどれだけあるだろうか」と。
心落ち着く空間で、美味しいコーヒーとスイーツに癒やされる。
「もう少し、ここに居たい」
最後の一口を飲み終えたあとも、心地よく流れるBGMに耳を傾けながら、何をするでもなくその雰囲気を楽しむ。
最高の場所で過ごす、最高の時間。
……しかし、何にも代え難い大切なそのカフェも、「大好き」だけでは続かない。
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色々考えてみたけど、どうやら僕は、どこか1つの店の立派な”1/200″にはなれそうにない。
その選択をしようにも、札幌という街には大好きなカフェが多すぎる。
だから、僕は自分ではどう頑張ってもなり得ない「199」のきっかけを作る、という形で恩返しをしたい。
これが、僕の結論であり、このメディアを作る理由。
一人ひとりが、カフェで過ごす素晴らしい一日。
それが積み重なれば、素晴らしい日々となって、未来に向けて良いサイクルが出来てくるはず。
この札幌という街が、カフェ文化の根付く、素敵な街であり続けるように。